2011年05月25日
「日々是好日」

悲しい唄にはそこに埋没していたくなる甘美な魅力がある。
古謝美佐子の唄には悲しさを含む唄が多くいつの間にかそのとりこになっていく自分に気づくことがあります。
古謝さんのニューシングル「日々是好日」には、最近の唄会の最後に唄われることの多いメインタイトルの他に子守唄のメドレーが入っています。
悲しい生い立ちの唄である「竹田の子守唄」
多くの人になじみ深いけど謎もある「江戸の子守唄」
沖縄の北谷王子の退治伝説を歌詞とする「大村御殿」
九州の「五木の子守唄」は、ライナーによると墓もなく亡くなっていく子守たちが自らの不幸を唄う歌詞だとか。
「二見情話」はのどかで美しい情景を唄う部分と戦後の哀れの対比が強烈な印象を残す。「五木の子守唄~二見情話」のメドレーは、両曲の類似性からソロの唄会、特に僻村塾の唄会でよく唄われてきたファンにとってはおなじみのメドレー。
「日々是好日」も心が温まるようなメロディーではあるけども、その歌詞には古謝さんの生い立ちからの悲しみが織り込まれています。ひとつ謎なのは、最後の三番の「もういいかい?」って叫んでもだあれも答えないとはどういう意味なのだろう。
とても孤独な響きのあるフレーズ。沖縄の戦後から今に続く本土との関係のことなのだろうか、それとも佐原氏自身の天才ゆえの孤独、苦悩だろうか。
Posted by sansinzamurai at 22:57│Comments(0)
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