2012年12月19日
ヤマハがSTAGEPAS新モデル投入
ヤマハのSTAGEPASシリーズは2005年の発売開始以来、初めて簡易PA装置を入手しようとする人が一度は検討する機種と言っても過言ではない業界スタンダードな機種と思います。
え~、そんなの興味ない、という人でも音楽を聴く人なら、カフェや小スペースのライブ会場なんかで一度は、いや数度は目に(耳に)したことのある機材ではないでしょうか。
三線やバンドでPAが必要でこのシリーズを使ったことのある人や通過点としていった人は多いと思います。
その新しいモデルが今月22日に発売になります。
いろいろパワーアップして値段も実売価格は現状とほとんど同じになりそうだから、旧シリーズ(これを書いてる時点ではまだ現行シリーズですが)を持っている人は、え~まじかいと焦ってしまうかもしれません。
今から買う人はいいですね

ラインナップは、
8インチウーファーのSTAGEPAS 400iと
10インチウーファーのSTAGEPAS 600iの2機種で、400iはこれまでのSTAGEPAS 300、600iはSTAGEPAS 500にあたる位置づけです。実売価格は400iが7万円前後、600iが10万円前後と思われます。
名前の数字の後の「i」は、iPod/iPhone とのデジタル接続や充電に対応しているという意味のようです。
さて注目はなんといってもそのパワー

400iのほうは最大200W+200W(4Ω)定格は180W+180W 最大音圧125dB SPL
600iのほうは最大340W+340W(4Ω)定格は280W+280W 最大音圧129dB SPL
旧シリーズの大きいほうの500でも116dBでしたからこれはかなりのパワーアップですね。
6db違うと電力比で4倍、音量で2倍違うといいますから、これまでより+13dbということは・・・まじデスカ。
129dBというと、現代の本格的なPAで使われる12インチから15インチのウーファー並みの音圧ということになります。
単体で販売されている同社のハイパワーな10インチパワードスピーカーDXR10にも迫ろうかという数字です。
ちなみに飛行機のジェットエンジンの近くの騒音が120dbといわれています。
額面通りの音がするのならこれまでの簡易PAのイメージを変えてしまうくらいのものだと思います。早く実機に触れて音を聴いてみたいものです。
アンプパワーのほうも単純に比較するなら、600iに至っては同社の単体のパワードミキサーEMXの中堅機(EMX312SC 300W+300W(4Ω))を凌駕するようなレベルということになります。
新しい機能では、これまでこの機種の弱点とされてきたリバーブ機能がパワーアップ。ヤマハのSPXデジタルリバーブが4種類から選択できるのと各チャンネルごとにかかる量を変えられるダイヤルが搭載。
これまでリバーブは1種類のみで、かかる量は一括でしか調整出来なかったのに比べると大きな躍進ですね。
(追記…リバーブをかけられるのはマイクチャンネルのみでステレオチャンネルにかけることは出来ないのはこれまで通りです)
他には
●ミニジャック入力端子搭載
●フィードバックサプレッサー
●リバーブフットスイッチ
●SUBWOOFER OUT (MONO) オートHPF機能付き
●スピーカーケーブルがこれまでより1m長くなって、6m×2本に
●Hi-Z対応入力1チャンネル(エレギギターなんかを直接つなげる入力です)
●600iのほうはイコライザーが3バンド(400iや旧タイプは2バンド)
●ファンタム電源搭載(今まで廉価な300のほうにはなかった。コンデンサーマイク使用可)
などなど、フィードバックサプレッサーというのはマイクのハウリングを自動的に抑制する機能で、これも素人にはありがたい機能ですよ。
SUBWOOFER OUTなんてものまでついたのは驚きで、実際にどれくらいの人がサブウーファーをこの機材につないで使うかはわかりませんが、もしも手持ちのパワードサブウーファーがあるなら、ダンスパーティーなどで体に響く重低音をズンズン鳴らしたいなんていうときにもいいかもしれないですね。
いいことばかりでなく、なくなったものについても書いておきます。
テープOUT(RCA出力)がなくなりました。録音用という名目でついてるものですが、むしろいざというときの音声出力に便利なものです。大きさとの兼ね合いから優先順位で削られたのでしょうか。最近発売のミキサーの傾向でもあります。
文章で表現しにくいですが、マイクやラインのフォン端子が4つなくなりました(コンボ端子が2チャンネル搭載されたので、これまでフォンしか使ってなかったという人も2チャンネル分はフォンを使えます)。
それから、イコライザーや外部エフェクトなんかを使うときのSENDとRETURNの出入力がないというのが、これまでこの機種の指摘されてきたところでしたが、今回も搭載は見送られました。
モデルチェンジでエフェクトを充実させ、フィードバックサプレッサーをつけたことで、それはいいのではないかというメーカーの割り切った判断なのかもしれません。
見た目は今風の曲線を多用したデザインで、重さはこれまでのものに比べて400iは300に対してマイナス0.2キログラム、600iのほうはプラス1.4㎏と同程度を維持。
「誰でも1分で音が出せるPAシステム」をコンセプトに開発されたということで、メーカーのホームページでは女の人がセッティングしてる絵が載っています。
非常に魅力的なこのモデル、今後の世界の簡易PAや廉価な音響システムの製品開発に大きな影響を与えるような一石を投じたものだと言えるのではないでしょうか。
お金と保管スペースに余裕があるなら私も迷うことなく買いですけどね

Posted by sansinzamurai at 20:16│Comments(0)
│PA(音響)
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